今日の午後、仕事をしながら心に決めた。
「会いに行こう」
仕事が終わるとすぐ車を走らせる。
前を走る軽トラックがまどろっこしい。
時計に目をやりながらハンドルを握る。
「時間はたっぷりある」
そう言い聞かせながらアクセルを踏む足に力が入る。
ガマンをしながら約1時間、やっと目的の場所へと到着。
おなじみの大型ショッピングセンターだ。
「間に合ったか!?」
時計を見てみると何とか間に合ったようだ。
さっそく見つけ、笑みとともに手を差し伸べる。
やっと手に入れた至福の時。
しかし腹が減っては喜びも半減!とまずは腹ごしらえ。
ワクワクする気持ちを抑え、それでもこらえきれずに笑みがこぼれる。
なんて楽しい一時だろう。
周りから見ればニヤニヤ笑う変なオヤジ。
でも傍にいるだけで胸が躍るのだ。
周りの目など気にしていられない。
久しぶりに出会えた喜びが溢れてくる。
「この喜びがずっと続けばいいのに」
そう思いながらも楽しい時間は過ぎるのが早いもので、
すっかり帰らなければならない時間になってしまった。
もちろん帰り道もアクセルは全開。
横で眺めているだけでは物足りない。
早く帰ってあの白いベールを脱がせたいのだ。
家に着くとさっそくベールを脱がせた。
そして出てきたのがこれ。
何年ぶりになるだろう。
突然思い立ち、どうしても会いたくなった「黒帥」である。
私の微かな記憶の中にある香り。
まさにその記憶のままの甘い香りが立ち上る。
一口含むとまろやかな甘みがサァ〜っと広がり、
そのあとは引き波のように消えてゆく。
あとには足跡も残らない。
しかし昔味わったコクのある旨みは喉の奥に余韻として残る。
「やはり旨いな」
しばらくぶりに会った「黒帥」は私の期待を裏切ることなく、
昔の感動を呼び起こしてくれた。
芋は手に入れて傍に置いておくより、飲んでいるときが一番の至福。
















